January 20, 2005

そういえば書いてないナァ

お久しぶりです、現実逃避に生きるダメ秘書、荒波海です。
帰宅中に旧年のことを「まとめてみるかぁ」とかつぶやきながら、年末年始遊び惚けてました。
ずっとヒズミちゃん(旧友:絵描き)を強制連行していたなぁ。
新年明けてからもたまった仕事片付けながら、将来について本気出して考えてみたり。
ネットしてない・・・です。
というわけでいまさらながら旧年でも振り返りましょうか・・・適当に。
一度吐いた言霊に責任を持つ、これもこれからの課題ですし。
旧年、特に就職戦争を振り返りましょう。AHOくん就職祝いということで。
長いので、暇な人だけ読んでくれればよいです。(怒らないでね、いろんな意味で)

去年は就職戦争というどうでもいい戦乱に巻き込まれた年だった。
ホントは秘書になりたかったわけじゃない、他に夢があった。ボクは学友とは違う方向性を在学中ずっと見つめていた。
みんなが秘書を目指して就職試験を受ける中、ボクはどこも受けなかった。
先生に呼ばれたときもあった。ボクはすなおに違う道を目指してることを告げた。
担任がよかったこともあって、夢そのものは否定されなかった。まあ夢の全貌を話したわけじゃなかったけれど。
ただボクの学生生活、バイトと秘書としての勉強を両立させるだけで精一杯だった。
夢のための勉強なんてまったくといっていいほどできていなかった。
そう、夢は見ているのにまったく歩き出そうとしていなかったんだ。
それに本気で気づいたのは就職試験、それも夢を実現させるためのときだった。

ボクの憧れの人、その人の会社が求人募集をしていた。それもまったくの素人でも受けれるという条件で。
ボクは迷いながらも夢をつかむために応募した。
いくつかの質問、課題の後遂に面接までこぎつけることが出来た。
ボクは喜び勇んで会社にむかった。なけなしの貯蓄をすべてはたいて、それでも足りず、親に借金してまでの遠征だった。
そして一度目の面接。
このときに課題を与えられた。期限は1週間。1週間後にまた来るように言われた。ボクは困った。お金がないのだ。とても1週間で用意できる金じゃなかった。
社長に素直に経済状況を伝えると、社長から「その金を用意するのも課題だ」と切り捨てられた。
当然だ、社会に出れば納期がある。それは個人的な感情・状況で左右できるものなんかじゃない。
ボクは自分の心構えがどれだけ甘いものかを痛感した。
面接からの帰り、ボクはバイト先に向かい、残っていた有給すべてを使って、給料をもらえないか店長に頼み込みにいった。
この時すでに働いてなく、ただ名前だけがある状態だった。
「お願いします!」
頭を下げてから暫く沈黙が流れた。断られるっ!そう思い始めたとき、店長が
「前々から色々無理聞いてくれてたから・・・しょうがない。いいよ、明日から有給使っていくようにしとくよ」
とやさしくいってくれた。
「店長!ありがとうございます!」
と抱きつかん勢いでお礼を叫ぶボクに一言
「就職落ちたら・・・また働けよぉ」
と励ましてくれた。
本当にバイトでいい人間関係の輪が作れていたんだな、と実感できた瞬間だった。
そして1週間後・・・ボクは再び会社の前に立っていた。
もちろん給料があれからすぐ振り込まれるわけはない。また親から借金しての2度目の遠征だった。
そして社長に課題を掲示する。
社長はちょっと考えて
「発想はいいけどひねりが足りない。もしもこれを君がこの場で作ったら即内定だったね」
と切り捨てられた。
うなだれるボク、そんなボクに社長は
「まあ仮内定だな、本気でくる気があれば試験運用ってことでとりあえず採用する」
と告げてきた。
え・・・じゃあ・・・
「まあ考える時間もいるだろうから・・・そうだな。1〜2週間後に返事くれる?今度は来なくていいから」
「は、はい!」
そのときのボクはその会社に行くことで頭が一杯だった。
憧れの人の下で働ける。
その喜びで体が包まれていた。
でも帰宅中にゆっくり熱が冷め始めた。
様々な葛藤がボクを襲いはじめた。

本当にやっていけるのか?そんな遠方なら親とはもう会えないぞ?親の体調はわかっているのか?
経済状況は?試験運用で切り捨てられるんじゃないか?そしたらこれまでの人生が無駄だぞ?
ナニモシテイナイクセニツウヨウスルトオモッテイルノカ!

3日間本気で悩んだ。
塞ぎ込んだ。引きこもった。
気分転換に就職試験も受けてみた。惨敗だった。
当然だ、このときのボクは何をしても虚ろだった。
面接官がこんな人物を採用するはずがない。
そして運命の2週間が過ぎさった。

結論から言うとボクはそこには就職しなかった。(まあこのサイト見れば分かるとは思うけど)
もっともらしい文章で丁寧にお礼とお詫びを伝えた。
その時ボクは精神的に極限状態にいたんだと思う。
それでありながら第三者視点でボクはボクを見ていた。
表には決して出さないけれど荒れている精神。そして妙に冷静なもう一人のボク。
せめぎあう二つの精神が導き出した結論、それが就職しないってことだった。

それから2ヶ月、1社だけ就職試験を受けたけど受かるはずもなく、ついに卒業式を迎えた。
周りは殆ど皆就職を決めていた。そんなみんなの前に卒業委員っていう不思議な役職のボクは立っていた。
どうでもよかった、すべてがどうでもよかった。
担任から卒業パーティーの時に何かやらなくちゃいけないことを告げられて、皆で話し合うよう言われた。
仕方なくボクともう一人の友達で全体に意見を求める。
反応はない、ただこれまでの就職先研修による空白の学校時間を埋めるかのように、おしゃべりが続いていた。
何か考えなくちゃいけない、周りを指揮しなきゃいけない、それなのに・・・最後の最後までクラスはまとまらない!
精神不安定とイラツキで、ボクはきれた。
ドンッ!ガシャーン!
一気に世界が静寂に包まれる。
みんなの視線の先にはにこやかなボク、そして落ちて砕けたナニカ
「じゃあ、どうしますか?」
怖いほどににこやかに伝えたボクの片手は教室のホワイトボードを殴りつけていた。
暫く静寂のみ残る。
ただだんだん世界に音が戻っていき、「馬鹿じゃないの?」「何考えてんの?」とか言う声がささやかれだし、再び騒音に教室は包まれた。
ドンッ!
もう一度。また静かになる。
あー、どうでもいいや。
なんでこんなにめんどくさいんだろ。
そんな感情がボクを支配しつつある中、横にいた友達が静寂のうちにまとめようとする。
それでもまた教室はざわめく。
「終わり終わり、こっちで勝手に決めます」
僕はそれだけ言うと担任を呼びに教員室へ向かった。
ついてくる友達数名。
「大丈夫?」「まああれだよな」とか声をかけてくる。
適当に相槌だけしてボクは教員室へ行き、現状をありのまま話しておいた。
笑顔のボクを怒ることなくHRは進み、卒業式の会場へと向かう時間になった。
そして卒業式は滞りなく終了する。
卒業パーティ
やはり・・・うちの学科だけ参加者数は最低だった。
元々自分の出ないこと。だから話に参加しない。それは話し合いを始めてすぐに分かったことではあった。
ただ何名かは参加してくれてた。
だからボクは企画を出した。
司会はボク。どうせ酒に任せた勢いで十分な会場だ。
飲んで騒げば少しは冷静になれるかもしれない。否、少しはまともになるかもしれない。
そういう思いで規定時間乗り切った。
他の演者がつくってきたテンションをさげずにはすむ内容ではあった。
まあ上出来だろう。そう思うことにして再び酒をあおってるボクの元に2年にあがるときに退職した元教諭がやってきた。
そして就職が決まっていないボクを哀れにでも思ったのだろうか、就職を斡旋してくれるという。
ボクはとりあえずうなずいておいた。
酒の席だ、それが実現するかは分からない。ただ何もしないよりはマシかもしれない。
そして数日過ぎていった。

学校も終わったボクはぼうっすることが増えていた。
外では「早く就職しないとナァ」とか言っていたが、内心まだ気持ちの整理が出来ていない。
これからの未来像が見えてこなかった。
闇雲に進んでいくのはボクの仁義に反していた。
何十にも予防線を張って生きていく、それがボクの人生だった。
どんなことも失敗する気はない。
必ず数本命綱を用意する。
そうやって昔から生きていたんだ。それなのに・・・
どうかしている。夢に何の準備もなく飛び込んでいってからおかしくなってきた。
ボクの生き方と、進みたい道は相反するもの。そう気づいていたのに生き方を変えられない。
だからボクはおかしくなったのだろうか。
日がな一日そんなことを考えていた。

ある日の昼、担任からの電話。
「卒業パーティの時話してた就職先、面接してくれるそうだ」
とりあえず学校へ。担任に詳しく話を聞く。
場所は日本の僻地。近くでありながらよっぽどのことでもないと、いやよっぽどの場合でもいかないようなところ。そこのボスの秘書らしい。
僻地
このことがボクの心を動かした。
少し考える環境がいるのかもしれない。
人生を見つめなおすためにも、こういう地がいいのかもしれない。

そしてボクは就職試験を受けることになった。
事前に場所を視察し、中に入り挨拶をしておいた。
そして試験−合格
合格1週間後には引越し完了し仕事を始めていた。
試験から仕事始め
その間わずか2週間。
本当にあっという間の就職だった。

初めての一人暮らし、仕事のプレッシャー、そして将来の葛藤。
6月に微妙なホームシックになった。
8月に鬱になった。
10月に仕事に対して吹っ切れた。
11月に殺意が芽生えた。
12月に仕事について心を悩ますことを無駄だと悟った。
そして・・・再び将来について考えている自分がいる。
就職して約1年、色々な人生勉強もした。社会の理不尽に泣いたこともあった。
でもそれすべてが今のボクを形作っているんだなと痛感した。
いろんな意味でやっと大人になったのかもしれない。


※このお話はフィクションです、実際の作者とは殆ど関係がなさげです。まじめに読んだ方、いろんな意味でゴメンナサイ

[ 秘書日記] Posted by umi at January 20, 2005 11:48 PM
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